2020年2月に現代ビジネスにて「ミソジニー」って最近よく聞くけど、結局どういう意味ですか？という記事が公開された。
記憶としてはあいまいだが、多分私は公開されて早々に読んだと思う。
この記事を読んで「ミソジニー」という概念を知り、この概念を知った状態で日々を過ごすといろんな違和感を抱くようになった。
ある意味、知らなかったときよりも生きにくくなった気すらしている。
でも知らずにいるよりも知ってよかったと思っている。
どうして違和感を感じたり、ましてや「生きにくい」とすら感じているのか。
ミソジニーって何？
ミソジニーという言葉の直訳はWikipedia上の1文目の通りである。
ミソジニー （英: misogyny） とは、女性や女らしさに対する嫌悪や蔑視の事である。女性嫌悪（じょせいけんお）
Wikipedia ミソジニー、女性蔑視（じょせいべっし）などともいう。
冒頭にリンクを載せた現代ビジネスの記事中にもあるが一言で女性嫌悪と言っても、全ての女性を嫌っている・恨んでいるような人はとても稀有な存在であるのでこの直訳の語感からのみミソジニーという概念を理解してはいけないと思う。
そこで、記事の中のを読んで私がストンと腹落ちした部分を引用する。
そこから著者は、ミソジニーを、「素朴理解」ではなく、「家父長制秩序を支える機能をもつ」「人を支配するためのシステムの一形態」として理解するべきだと主張する。
「ミソジニー」って最近よく聞くけど、結局どういう意味ですか？
家父長制、簡単に言うと”男が稼いで、女が支える”というシステムの元となっている概念、という風に私は理解した。（正確ではないかもしれない）
理想とされる女性像
”良妻賢母”が世間一般で理想とされる女性像だと思ってきた。
男性は賢く、決断力や行動力があるが、その分エネルギーを使うので、家庭で安らぎ、力を蓄える必要がある。そんな男性を支える内助の功が尊ばれていると思っていた。
この理想とされる女性像自体、ミソジニーという概念の賜物なのではないかと思う。
ちなみに”良妻賢母”自体はWikipediaで英語のページが存在する。
It represented the ideal for womanhood in the East Asian area like Japan, China and Korea in the late 1800s and early 1900s and its effects continue to the modern day. Women were expected to master domestic skills such as sewing and cooking, as well as develop the moral and intellectual skills to raise strong, intelligent sons for the sake of the nation.
Good Wife, Wise Mother
簡単に日本語に訳すと
1800年代後半から1900年代前半の東アジア（日本、中国そして韓国）における[ideal for womanhood / 理想の女性像]を表し、その影響は現代にまで引き継がれている。女性は裁縫やっ料理などの家庭用の能力に長けている事が求められ、国の為に強く賢い息子を育てるための倫理と知的能力も期待されている。
といったところでしょうか。
”理想の女性象”からは程遠い自分
上記のような理想の女性像への適正の無い自分を心のどこかで”女性として劣っている”と思っていた。
容姿に自信もなく、そして内面すら男性から”価値ある女”として見られるようにはならないという思いが自分の中にある。
”理想の女性像”とミソジニー
そんな思いが自己肯定感を低めているのではないか。という仮説をここ1-2年で考えるようになった。
そして、ミソジニーという概念を知り、その一端を覗き見る事によって、そもそもの”理想の女性像”というのが、「家父長制を支えるのに都合がいい」”理想の女性像”なのではないか、という思いにいたった。
他者からの期待に応えられない自分に対して、その”他者からの期待”それ自体がミソジニーという概念に端を発する期待なのであれば、それに無理に応えようとする事はないのではないか。
ただし、この考え方は今まで是だと思っていたことを否定する事につながるし、今までの人間関係の中にひずみを見出すこともある。
それゆえに、知ると辛い。でも知らなかったときよりも、知った状態のほうがよほど良いと言える。
本日の一言
新しく知った概念を、できる限り自分が考えている言葉で、しかし内容的に飛躍しないように書くことは、難しい。
図書館のHPで蔵書検索をしたところ、ミソジニーについての本で読みたいと思っていたものがあったので、予約して借りた。緊急事態宣言下でも予約すれば貸し出してもらえる図書館はありがたい。
