感想

2021/7/10 ロミオとロザライン

公演情報

2021/7/10 ロミオとロザライン

17:30開演 @紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA

[出演]
川崎皇輝(少年忍者/ジャニーズJr.)
吉倉あおい
飯窪春菜

一色洋平
二宮陽二郎
ザンヨウコ
渡辺芳博

大高洋夫

[作・演出]
鴻上尚史

あらすじ

世界で最も有名な恋愛物語である「ロミオとジュリエット
ロミオは忍び込んだ宿敵キャピュレット家のパーティーにて、ジュリエットに一目ぼれし、ジュリエットもロミオに惹かれたことから5日間のあっという間の物語が展開していく。
なぜロミオがパーティーに忍び込んだかというと、思いを寄せるロザラインに会いたかったから…

おや?ロザラインのことが好きだったはずのロミオは一瞬で心変わりした
じゃあ、ロザラインの気持ちはどうなった

という事に5日後に初日が迫った「ロミオとジュリエット」でロミオを演じる役者が引っかかってしまい、演出家にその理由を問いただす。
悩みに悩んでいる中で見た夢の中で演出家はロザラインとして「ロミオとジュリエット」の世界の中に入ってしまい…

現実世界と劇中劇としてのロミオとジュリエットの5日間の物語

夢と現実とお芝居が交錯する愛と執着心の物語

冒頭赤い衣装組と青い衣装組で光と音楽に合わせた形で殺陣&ダンス。

主役の川崎さんはさすがのキレと華やかさ。

その後ミュージカル要素は無し。華やかだったけど、あれは何を象徴していたのだろうと見終わり思い返している今となってはやや疑問に思う。

ロミオとジュリエットの公演を控えたメンバーとしての物語と、劇中劇としてのロミオとジュリエットが交錯しながら進んでいく。

ロミオとジュリエット自体は劇中劇と事前に知っていたので、要所要所でのエピソードが織り込まれる形でいろいろと省略されている部分も多いのかと思うが、原作に明るくない私としてはほぼ丸々ロミオとジュリエットを見れてしまったという印象。

ロザラインからジュリエットに一瞬で心変わりしてしまうというエピソードを知るとロミオがかなり軽薄に見えてしまうというのは驚いた。

ジュリエットは可愛らしさと初々しさがありつつも、現実世界の役者としては自分なりの葛藤としたたかさを持っている。

演出家役は常に真面目で真摯に作品に取り組もうと思いながら生きているが、夢の中ではロザラインの立場になり突然のロミオの心変わりに戸惑いを隠せず、自分の中に存在するとある感情に気が付いていく…。

それぞれの人間・役としての発言に身体性がともなっており、熱量と華やかさがあってテンポよく最後まで飽きる事なく見る事ができる作品だった。

今日の一言

パンフレットを購入して読んだ。

稽古開始後2週間くらいのタイミングで行われたというロミオ・ジュリエット・ロザライン役3名による対談が面白かった。

飯窪さんが持ち前のコミュニケーション力を発揮している感じが微笑ましかった。(本人は人見知りでコミュニケーションとるのに勇気が必要と言っている事もあるが、社交性はめっちゃあると思う。社交性があることと人見知りであることは両立する)

もう一度見に行く機会があるので、話の構成や対談の内容などを知った状態で見るとどのような気持ちになるのかが今から楽しみである。