強烈な鳩嫌いの友人がいる。
鳩を見ればその友人を思い出すし、鳩という字を見ても思い出すし、鳩モチーフのグッズや絵をみても思い出す。
キリスト教に関連した絵画に描かれている鳩をみても思い出す。
当然「鳩の撃退法」という映画タイトルを見るたびに、その友人を思い出していた。
気になるくらいなら、見に行こうと思い、見に行った。
めちゃめちゃ面白かった
小説と現実、そして過去と現在が交錯しながら進む物語
映画「鳩の撃退法」公式HP
久しぶりに手放しで「面白かった!」と言い切れる作品。私にとっては大当たり。
原作は未読の状態で鑑賞。
とにかく面白かった!(しつこい)
どの役者さんもとてもいい演技をなさっているが、風間俊介さんすごい。
藤原竜也さんも場面場面で何をその目に映しているのか、何を考えているのかが気になる演技だった。
私にとって面白かった要因の一つとして本作品では、BGM・音楽の使用が最小限に抑えられていて物語が大きくわかりやすく大胆に動くときにのみ効果的に音楽が挿入されているように感じた部分である。
映像作品も舞台作品もBGM・音楽を用いる事によって、空気や感情を表現するという手法がある。
この作品においてはBGM・音楽の使用が最小限に抑えられていて、空気は演技をする人々によって作り上げられ、それを画面越しに読み取るという経験ができた。
そして、常に『どういうこと?』という疑問を頭に持ちながら見る楽しさもあった。
そんな音楽の使用が最小限に抑えられていている中で、エンドロールに入るところで挿入される井上陽水さんの歌声がばっちりと作品の最後にかみ合っていた。
見終わった今でも、何が本当で、何が作り話で、そしてあの後彼らはどうなったのだろうと楽しく考える事ができる。
近いうちに原作も読んでみたい。
今日の一言
最近、いい意味でも悪い意味でもなく音楽の力について思いを巡らせている。
本作品は良い意味で音楽の力の乱用を抑えているように思え、それにより自分で登場人物の気持ち・考え・立場を考えながら見る事ができたのが楽しかったのだと思う。