哀愁しんでれらを見に映画館へ
TSUTAYA CREATORS PROGRAM FILM 2016 グランプリ受賞作品である「哀愁しんでれら」を鑑賞した。
2月の終盤にSNSでの評判を見て、興味をそそられ見に行こうと思ったところ、近隣の映画館Aでは朝8:15から1回のみ上映、映画館Bでは朝8:30から1回のみ上映という、オブラートに包むと”朝いちばんの上映にしても見に来る人は見に来る”という自信にあふれた、もうすこし砕けた言葉で表現すると”派手さはないので週末の暇つぶしの一環として映画を見に来るという層にはささらない、この作品を見たい人向け”の上映時間設定だった。
結局、土曜の朝に在宅勤務をしている平日よりも早い時間に起きて見に行った。マスクをして、すっぴんで。
感想(ネタバレなし)
まず、一言目の感想としては素晴らしい映画でした。エンタメではなく、映画、物語。おもしろかった。
一度見終わった後に「哀愁しんでれら 考察」で検索してしまうくらい、シーンごとのコハル、ダイゴ、ヒカリそれぞれの感情やそれぞれの行動の意味を考えさせられる内容だった。
親子/パートナー間で伝播する業のようなもの、自分と家族の平和を守るためにその外の世界の平和を逸脱してしまう事。。。
数年前までは土屋太鳳さんの演技が正直あまり好きではないと思ったこともあったが本作品の土屋太鳳さんは素晴らしかった。真面目さと、真面目ゆえにトラウマに囚われ、周囲の目や期待にとらわれ逸脱していってしまう演技がとても素晴らしかった。誰にでも起こりる事であると心の底から感じる事ができた。(最近Netflixで見た「今際の国のアリス」もよかった)
最後の衝撃的な展開に関しては現実なのか、夢なのかどっちだろうと思ったものの、公式HPに
とあるので、現実であったと考えるべきという事なのであろう。
他にも色々と仮説を立てているので、確認するためにストリーミングで見れるようになったら課金してでももう一度見たいと考えている…のだけど、監督のツイートを見てそれは難しい事なのかと察する。。。TSUTAYAさん、配信サービスと提携してください。。。(切実)
2021年3月11日現在、まだ劇場によっては上映している模様ですが、エヴァンゲリオンも見たいし、トムとジェリーも見たいし、1日にいくつも映画を見る体力と集中力は無いし・・・ということで自宅で見れるようになる時を待つ方針。
気になった部分の覚書(ネタバレあり)
さて、ここからはネタバレあり感想。というか気になった部分の覚書。いつの日かもう一度見る時のために。
コハルの服装
- コハルの服装
- 冒頭のキラキラのハイヒールで白い割烹着・・・?と思いきや、割烹着を脱ぐとシンデレラを思わせる水色のドレス
- 仕事の服装は白のブラウスにピンクのカーディガン。そのまま悲劇の連鎖に出会う
- 命を救ったお礼に、という事で買ってもらう水色ドレスとキラキラヒール靴。冒頭のシーンで着用しているもの。
- 仕事以外の服装は基本的にゆとりのある、コットン素材っぽい服装。ロングスカート多し
- 結婚を決めたときのコハル・ダイゴ・ヒカリ3人の信号機ファッション
- 結婚式でのドレスは白ではなく、深い赤色(なぜ?)
- ダイゴの家に移り住んで、今までの自分の服はすべて捨て、新しい服を一気に買った模様。(その際にベッドのリネンも一新していたのは何故か?)
- 一度家を出て、戻って、学校に物申しに行くときの紫色のワンピースの迫力
- 最後のシーンで、冒頭のシーンの種明かしが行われる
- ヒカリ
- コハルとヒカリの初対面の時、眼帯にイラストを描かれている間ヒカリは手をぎゅっと握りしめていた。ダイゴまたは実母からDVなどあった可能性?
- ヒカリはダイゴに対してびくびくしている?身体的なものはなくとも、ダイゴによる良かれと思っての発言が結果的に精神的DVのようになっている可能性?
- お弁当を持って行っても教室でお弁当がないと主張するのは、好きな子の気を惹きたい一心だけなのか、コハルへの内なる反発もあるのか。
- くるみちゃんの死にかかわっているのか、あれはただの事故だったのか。
- ダイゴ
- 鹿のペニスの話は何?
- 画力すごい
- ”愛情”に対しての感覚が独特。飼っていたウサギを剥製にして手元に置いている。
- 「世間からの目」にがんじがらめになりながら、「世間からの目」に応えうるハイスペックを実現できている実力者
- あんな豪邸を立てられるほどの収入ある医者って本当にいるのか
- 精神的DVを行う傾向はあるものの、「誰の金で食べてると思ってるんだ」的発現がなかった
- コハルの結婚指輪、隠し持っていた。「ここに置いておいたのになくなっちゃった」と素直に言われたらどうしていたのだろう。
もう一度見て、自分なりの解釈をしたい。ノベル読むかどうかは検討中。